知識と知能の蓄積 新入社員でさえ、半年もすれば、与えられた持ち場で工夫し、独自のやり方で仕事を効率的に進めていきます。知らず知らずのうちに各人がそれぞれ自分の仕事にノウハウを創り上げているのです。こうして各人が蓄積したノウハウが各人の「知識」です。会社としては歓迎すべき事です。 しかし、これをこのままの状態にしておくと、社員の職人化が進んでしまい、その人が抜けてしまうと誰もわからない、という状態になります。 社員の職人化を防ぐためには、定期的に、各自が持っているノウハウを洗い出し、これを各自に分析させ、文書、マニュアルに落とし込んで行く必要があります。 次に、文書、マニュアルを使い、他人への教育を展開することで、各自の「知識」を会社全体の「知識」として共有化するのです。各自の「知識」を吸収する仕組み作りを行ない、会社の「知識」を集積します。 職人色の強い金型産業に、こうした仕組み作りをする知識管理を見直す必要があります。 ただ、こうして蓄積される「知識」とは、単なる情報です。世の中に「知識」を持った人はたくさんいます。たとえば、百科事典の情報は、CD-ROM一枚に集積されています。こうなってくると、どんなに物知りの人がいても、その「知識」やノウハウが定型化された瞬間から、一枚数千円のCD-ROMと同じ価値となります。 では、どんな人材が必要なのか?それは、「知能」を持った人です。 知能とは、知識を生かして、誰も知らない、誰もやっていない事を考え出し、それを実現できる能力のことです。 これから起こる産業革命では、「知識」だけでは通用しません。「知能」を備えた人材の育成ができる教育制度と、社内システムの構築を急がねばなりません。 ● やっぱりモノ作り ● 産業革命 ● デジタル時代の日本人気質 ● 宿 命 ● モノの価値 ● 技術に落とし込む ● 知識と知能の蓄積 ● 1日1型