宿 命 これからも、ものを作りつづけていくとすると、我々は、 何を作っていけばよいのでしょうか。この140年間は、自動織機 に始まり、自動車に至る高速生産の時代でした。 アメリカは、いち早く、銃部品の規格化をして、同じ部品を大量 に作れるようにしました。この標準化の概念に、ヘンリー・フォ ードがベルト・コンベアを付け足して、量産産業という高速生産 の概念が出来たのです。そして、この高速生産を、最もうまく 利用したのが日本でした。 しかし、90年代に入ってから10年、日本の製造業は競争力を 失っています。生産拠点がアジアに移行する速度が増している のです。日本に残っているのは、携帯電話、デジカメ、カー ナビ、コピー機、プリンターなど…それと、自動車くらいです。 これは、製品そのものの性能・機能と、その製品を生産する 技術(量産技術)が成熟してきたからだと考えます。 製品の性能・機能での差別化が難しくなり、製品を量産する 為の製造技術も、最新鋭の生産設備を買えば簡単に誰でも真似 できるようになってきたからなのでしょう。 そこで、日本が得意とするモノ作り技術にIT技術、インター ネット技術を融合させた新しい時代のモノ作り技術。これを 確立するしか、日本の生きていく道はないと思っています。 今回のデジタル革命で、製造業が爆発的な生産性を上げて、 モノをどこの国で作っても同じコストになるようにするしか ないのです。 そうなれば、「誰が作るか?」が問題ではなく、 「何を作るか?」しか価値が無くなるのです。 やっぱり、モノを生み出し、作りつづけなければならない のです。モノ作りに情熱を燃やす国の宿命なのでしょう。 ● やっぱりモノ作り ● 産業革命 ● デジタル時代の日本人気質 ● モノの価値 ● 新しいモノの価値 ● 技術に落とし込む ● 知識と知能の蓄積 ● 1日1型