新しいモノの価値



今までの量産品は、車なら毎年マイナーチェンジを繰り返しながら4年間、家電なども2年くらいは売れたはずです。今の携帯電話、パソコン、デジタルカメなどの製品サイクルは半年です。

また、生活必需品と嗜好品によっても売れ方は異なります。生活必需品は、今の大量生産の考え方が今後も適用できると考えられます。しかし嗜好品に関しては、新たな価値を持ち始めています。日本人は豊かになって、1,300兆円も個人貯蓄があっても買うものがありません。

嗜好品に対する”期待”と”誰よりも早く”が大切になってきます。自動車、携帯電話、パソコン、ゲーム機・・・。どれも発売当初に爆発的に売れ、後は月を追う毎に急速に販売台数が落ち込んでしまいます。

「モノ」の発売前から期待が膨らみ、誰よりも早く欲しい。買った人は、誰よりも早く手に入れた「満足」を得ますが、すぐに熱が冷めます。それでも、買った人はその瞬間の喜びに対価を払っているから、それはそれで価値があります。買えなかった人は、買った人のモノをみたら、それほど価値を感じなくなり、欲しくなくなります。結局、買った人も買わなかった人も、次が欲しくなるのです。

消費者がすぐ飽きてしまう。ゆえに、販売は長くは続かない。嗜好品は、しばらくこの価値観が続くのではないでしょうか。一瞬しか売れないのです。海外が生産する頃には、そんなモノは日本では過去のモノになっているのかもしれません。そうなると、海外でコピーして、安いモノを売るなんて市場は、日本になくなります。

「消費者が欲しそうなモノを、1ヶ月で開発、1ヶ月で量産、1ヶ月で売り切る」
これが、日本の新しい量産かもしれません。

   
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