今、日本で激しい開発競争が展開されているのは、携帯電話、デジカメ、カーナビ、コピー機、プリンターです。これらの製品は、3ヶ月で性能がUPします。デジカメが進化すれば、プリンターとコピー機が進化します。 開発競争が行われている間は、日本で生産されますが、製品の進化が成熟化した時点で、生産はアジアに移っていきます。この、サイクルはどんどん短くなっています。しばらくは、携帯電話やデジカメなどの一連の製品は、一体となって進化するでしょうから、日本には、こうした携帯端末の開発は残るでしょう。
2001年のWCDMA化と、デジタル放送の開始は、通信がデジタル一本に集約することを意味しています。この2つのデジタル電波通信方式は、情報機器産業や私たちの生活に大きな影響を与えます。 デジタル通信は、デジタル家電を生みます。各家庭は、後10年もすると、家電製品はデジタル家電になって、携帯端末が時計の代わりになっているかもしれません。携帯電話や端末、デジタル家電、インタ−ネット、デジタル放送などは、一つのシステムとして組み込まれていきます。
そのような製品を、世界の誰が開発するのか? こうした全く新しい製品を開発できるインフラが整っている場所は、日本しかありません。超小型化、高品位化、高速開発、超精密、どれをとってもこれらの技術は日本にしか残っていません。
日本のある研究所で、マイクロファクトリーというものが研究されているそうです。卓上の超小型工場で、数cmの旋盤などが集まり遠隔操作するというものです。 環境、省エネ・資源。これこそ、日本が得意とする技術開発です。質量の低減は、エネルギー、資源の爆発的低減と生産性の劇的な向上をもたらすのです。
今回の産業革命は、デジタルと質量がもたらすだろうと思っています。なぜなら、日本には、質量の低減による超高能率工作機械、超高能率モノ作りシステムを発明する土壌が十分に整っているからです。 前回の産業革命は、蒸気機関と、自動織機という道具機を発明した英国から始まりました。今回の産業革命は、アメリカがコンピュータを発明した時点から始まっています。 しかし、コンピュータを利用したモノ作りシステムは、まだ、発展途上の段階です。そして、土壌が整っている日本が一番近くにいるはずです。質量をコントロールしている日本が発明するはずなのです。 真の知的産業革命は、資源に乏しく、世界一人件費が高い国、日本から起きるのです。
デジタル時代でも日本人の気質が活かされるのです。日本民族は永遠に職人なのです。21世紀の日本は明るいと信じています。
|